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【複線でも超高密度】京王線の時刻表考察《2016.9.16ダイヤ改正》

タイトル画像:京王9000系車両


この記事では、東急電鉄・東急多摩川線のダイヤ考察を行っています。

〈2016年改正対応〉

京王線は東京都新宿区の《新宿》から調布市・府中市などを経由して八王子市の《京王八王子》に至る37.9kmの路線です。

路線概要

 京王線は1913年(大正2年)に京王電鉄の前身にあたる京王電気軌道が、《笹塚》から《調布》間の軌道線を開通させました。国鉄中央線が人里を大きく迂回する形で敷設されたのもあり、甲州街道沿いに点在する宿場町を結ぶ軌道線としてのスタートでした。その3年後の1916年までに、それぞれ《新宿追分(現:新宿)》《府中》まで延伸を果たしています。

 一方で、《府中》から《東八王子(現:京王八王子)》間は、1925年(大正14年)に玉南電気鉄道が一般の鉄道として開通させました。この玉南電気鉄道は、京王電気軌道が国の補助金目当てに設立した会社であり、省線中央線との競合を理由に補助金が受けられないとわかると即座に京王と合併しました。その後すぐに軌道化した上で、2年後の1927年までに《新宿追分》《東八王子》間の通し運転が始まっています。

 戦中には戦時統合の流れを受け大東急の一路線となりましたが、成り立ちが全く違う路線の集合体であり、会社的にうまくいかなかったことから、戦後すぐに京王帝都電鉄として分離、同社の本線格の路線として、高度経済成長の波に乗っていくことになります。とはいえ、50・60年代は軌道色が色濃く残り、新宿付近には併用軌道が残るなど運転上のネックとなっていました。1970年代に行われた新宿駅の地下化京王5000系の導入により、近代化が一気に推し進められました。

 80年代から90年代にかけて、京王線の支線にすぎなかった多摩川原支線が、多摩ニュータウンの開発に従って相模原線と名を変えて延伸し、一気に幹線格に成長しました。これにより《笹塚》から《調布》までの間は多数の行き先・種別が行き交う、首都圏でも指折りの高密度運転を行う区間となっています。

 京王線は《新宿》と《京王八王子》の全線にわたりJR中央線と競合しており、京王特急と中央特快による激しいスピード争いが行われてきましたが、人口減少時代を見据えてか京王は停車駅を増やして確実に乗客を得ていく方針に変わりつつあり、前ダイヤ改正では初の特急停車駅の増加が図られました。また2018年度ダイヤ改正からは、京王初の座席指定通勤ライナーの運転が予定されており、《笹塚》から《仙川》間の高架化もあわせて、更なる利便性の向上に期待がかかります。

列車種別と停車駅

駅一覧

京王線路線図

 図1.駅一覧と停車パターン

基本的には複線路線ですが、笹塚から分かれる京王新線が正式には京王線の複々線扱いです。始点駅の《新宿》は元々4面5線の駅でしたが、編成両数の増加に伴う改築を重ね、今では3面3線になっています。相模原線とは立体交差で、高尾線と競馬場線とは平面交差で本線から直接分岐しています。車両基地は《高幡不動》と《桜上水》に併設しています。

種別紹介

[特急]

京王線の最速達種別です。競合する中央線との対抗を目的に1963年(昭和38年)に設定され、1967年(昭和42年)に当種別に対抗して作られた中央線[特別快速(現:中央特快)]と長きに渡って競争が続いていましたが、近年は京王線の高密度化と停車駅の見直しに伴い、沿線の利便性を引換に所要時間は増加しています。

種別カラーはピンク色。途中停車駅は《明大前》《調布》《府中》《分倍河原》《高幡不動》《北野》です。

[準特急]

かつて運転されていた高尾線直通の[急行]を格上げする形で登場し、《新宿》から《府中》までが[特急]、《府中》以西は[急行]と同一の停車駅でした。直近の2012年白紙ダイヤ改正で行われた停車駅の見直しに伴い、この停車パターンは前述の[特急]に引き継がれ現在は2代目準特急として運転しています。

種別カラーはオレンジ色。略称は[準特]。途中停車駅は[特急]に加えて《笹塚》《千歳烏山》に停車します。

[急行]

特急系に続く準優等種別ですが、前述[準特急]と後述[区間急行]への置き換えが進み、現在では本線系統で唯一日中に運転されない種別となっています。事実上の通勤急行。

種別カラーは緑色。停車駅は[準特急]に加えて《桜上水》《つつじヶ丘》《東府中》に停車します。

[区間急行]

かつて運転されていた[通勤快速]を日中時間帯に運転するために生まれた種別で、《新宿》から《東府中》までが[急行]、《東府中》以西は各駅に停車という停車パターンを引き継いで運転されていました。直近の2012年白紙ダイヤ改正で行われた停車駅の見直しに伴い、利用者数が多かった《仙川》が追加されました。

種別カラーは黄緑色。略称は[区急]。停車駅は[急行]に加えて《仙川》と《東府中》以西各駅に停車します。

[快速]

《新宿》から《調布》の間の[急行]を補充するために登場しました。《調布》での折り返しが難しい関係で、多摩川支線の京王多摩川駅で折りかえす運用が組まれていた経緯から、現在でも相模原線に直通する列車を中心に運転されています。比較的長距離を運転する列車が多いのに対して通過駅は僅かに6駅と非常に少なくなっています。京王線と中央線は快速が遅いことで有名。

種別カラーは青色。停車駅は[区間急行]に加えて《下高井戸》《八幡山》と《調布》以西各駅に停車します。

[各停]

各駅に停車します。基本的に《京王八王子》、高尾線《高尾山口》、相模原線《橋本》など終端まで通し運転が行われます。種別カラーは黒色。

時間帯別ダイヤパターン考察

朝ラッシュ

◇上り初電(一番初めに運行する列車)

[各停]《桜上水》4:38発→《新宿》4:50着

明大前駅朝ラッシュ時刻表

 図1. 朝ラッシュ時刻表一例(明大前駅上り)

6時台から7時台ににかけて[特急]が3回続行運転された後、[各停][区間急行][急行]が運転されます。全盛期よりは若干減少されたものの、今でも《調布》から《笹塚》の複線区間では1時間あたり26本もの高密度運転が行われています。

停車パターン別に分けると

  • [特急]……2本
  • [急行]……14本
  • [区間急行]……12本
  • [各停]……23本

となります。朝ラッシュ時における一時間あたりの平均本数は優等停車駅で25.5本普通停車駅で11.5本です。

デイタイム

・平日 

明大前駅平日デイタイム時刻表

 図2. 平日デイタイム時刻表一例(明大前駅下り)

日中でも多様な種別の列車が走ることにより需要に柔軟に対応しています。1時間に9本ある特急系統のうち、3本が終点《京王八王子》まで、残りが高尾線《高尾山口》と相模原線《橋本》までそれぞれ3本づつが直通しています。デイタイムにおける1時間あたりの本数は優等停車駅で最大21本普通停車駅で最大6本です。各区間における1時間あたりの運転本数は以下の図のとおりです。

京王線平日デイタイム区間別運転本数

 図3. 平日デイタイム運転パターン/1H

 

・休日 

明大前駅休日デイタイム時刻表

 図4. 休日デイタイム時刻表一例(明大前駅下り)

基本的には平日と同様ですが、高尾線に直通する列車が高尾線内の停車駅の関係で[準特急]になり、[特急]は《京王八王子》に向かいます。

京王線休日デイタイム区間別運転本数

 図5.休日デイタイム運転パターン/1H

夕ラッシュ

明大前駅夕ラッシュ時刻表

 図6.明大前駅下り 夕ラッシュ時刻表

デイタイムに比べて、相模原線への直通列車が増えているのが特徴です。またそれに対する京王線《調布》以西の運転本数確保のため、《調布》始発の高尾線に直通する[各停]が運転されます。加えて、『[区間急行]調布行、調布から[各停]高尾山口行』という種別を変更する列車も運転されます。京王お得意だった種別変更の生き残り。

夕ラッシュにおける1時間あたりの本数は優等停車駅で最大24本普通停車駅で最大6本です。各区間における、1時間あたりの運転本数は以下の図のとおりです。

京王線夕ラッシュ区間別運転本数

 図7.平日夕ラッシュ運転パターン/1H

夜ラッシュ

明大前駅夜ラッシュ時刻表

 図8. 明大前駅下り 平日夜ラッシュ時刻表

夕ラッシュをベースに、一部の列車で種別が変更になります。《北野》から上り方面では《調布》まで[快速]が緩行輸送を担います。

各区間における、1時間あたりの運転本数は以下の図のとおりです。

京王線夜ラッシュ区間別運転本数

 図9.平日夜ラッシュ運転パターン/1H

◇下り終電(一番遅くまで運行する列車)

[特急]《新宿》0:33発→《京王八王子》01:11着

 

まとめ

  • 京王線は全時間帯を通して、複線ながら首都圏でもトップクラスの運転本数・密度となっている。また朝ラッシュ以外の時間帯では[各停]の運行は毎時6本にとどまり、優等列車主体の輸送体系が組まれている。
  • 18年度には京王初の座席指定通勤ライナーの運行開始を控えており、さらなるダイヤの変化が予測されている。

 

本日はご覧いただきありがとうございました♪

2017/5/18:加筆修正と記事の軽量化を図りました

 

???「東武電鉄編、完結!」

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ごあんない

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