【まさかの所要時間増加】東京メトロ銀座線の時刻表考察《2017.5.20ダイヤ改正》
この記事では、東京地下鉄・銀座線のダイヤ考察を行っています。
〈2017年5月20日改正対応〉
銀座線は東京都渋谷区《渋谷》から、《新橋》《銀座》《上野》といった繁華街を結びつつ台東区《浅草》に至る14.3kmの路線です。
※東京メトロでは方面に関してA線、B線という呼称を使用していますが、当記事では便宜上、駅番号の大きくなる方向を下り、逆を上りと表記します。
路線概要
銀座線は1927年(昭和2年)、旧東京地下鉄道によって《上野》から《浅草》までの区間が開業されました。23年に起こった関東大震災の影響で建設が遅れていたため、ひとまず当時東京一の繁華街だったこの区間が一番最初に建設・開業されたのです。この区間が日本における一番最初の地下鉄となりました。その後34年までに《新橋》までの区間が開業しました。
一方《渋谷》から《新橋》の間は、目蒲線(現在の目黒線+東急多摩川線)を運営していた旧目黒蒲田電鉄(現:東急)系の旧東京高速鉄道が建設、1939年(昭和14年)に全通しました。東京高速鉄道と東京地下鉄道は交通政策の違いから仲が悪く、高速鉄道による地下鉄道買収未遂があったのち、旧内務省の仲介によって《渋谷》から《浅草》までの直通運転を開始、両社は41年には戦時統合の流れをくんで旧営団地下鉄に統合されました。
戦後の丸ノ内線開業を控えた1953年(昭和23年)には銀座線という名称が付けられました。増加する輸送人数にあわせて、1966年(昭和41年)にはすべての列車で現行の6両編成での運転が行われています。1993年(平成5年)に01系車両に統一されたことに伴う新型信号システムの使用開始と最高速度引き上げによって、全線所要時間は34分から一気に30分に短縮されましたが、新駅《溜池山王》の設置や各駅混雑・安全確保のために、近年は所要時間増加の傾向にあり、ホームドア設置に伴って34分程度に戻る見込みとなっています。2016年度の東京メトロ事業計画において、電圧を600Vから750Vに引き上げることが発表され、その際に最高速度が引き上げられるかが、所要時間短縮の鍵となりそうです。
路線設備と列車種別
駅一覧
図1.駅一覧と停車パターン
全区間複線路線です。《赤坂見附》は2層構造となっており、それぞれ丸ノ内線と同じホームを使用しています。また同駅で丸ノ内線と接続しており、車体検査などを行う中野工場へはこちらの線路が使われます。車両基地は《上野》に併設しています。この車両基地に至る途中で、東京メトロ唯一の踏切があることが知られています。第三軌条方式という特殊な集電方式が取られていることもあって、他路線との直通運転を一切行わない、完全に独立した路線となっています。
種別紹介
・[各駅停車]
各駅に停車する各駅停車のみの運転です。
時間帯別ダイヤ・時刻表考察
今ダイヤ改正のポイント
- 停車時間見直しに伴う所要時間の増加:日中時間帯《渋谷》→《浅草》において、31分→32分となる(+1分)
- 一部列車運転区間変更、それに伴う本数の微増微減
公式情報は以下のページより、東京メトロニュースリリースをご覧ください。
朝(始発~8時代)
◇上り初電(一番初めに運行する列車)
[各駅停車]《浅草》5:01発→《渋谷》5:33着
図2.朝ラッシュ時刻表一例(渋谷駅下り)
朝ラッシュ下りの1時間あたりの最大運転本数は《渋谷》→《上野》の間で、
- [各駅停車]……28本
です。おおよそ2分間隔で運転されます。初期に建設された地下鉄路線という事情もあって16m級6両という都心にしては非常に少ない定員のため、めいいっぱい走らせている形になります。また一部列車は《上野》で折り返しになり、同駅始発の列車が設定されています。
デイタイム(9時~15時代)
図3.デイタイム時刻表一例(渋谷駅下り)
デイタイム下りの1時間あたりの運転本数は《渋谷》→《浅草》の間で、
- [各駅停車]……20本
です。ちょうど3分間隔の運転となっており、東京の地下鉄の中ではダントツの本数を誇っています。(ちなみに丸ノ内線は4分間隔の毎時15本)
また、終点の《浅草》ではホームによって使用できる出口が限られるため、時刻表や行き先表示において到着番線が案内されます。
図4.デイタイムの運転本数/1H
夕・夜(16時代~終電)
図5.夕ラッシュ時刻表一例(渋谷駅下り)
夕ラッシュ下りの最大運転本数は《渋谷》→《浅草》の間で、
- [普通]……29本
です。昼間の時点で3分間隔という単一種別の路線ではトップクラスの密度で運転しているため、夕ラッシュでは2〜3分間隔とほぼ朝ラッシュに近い運転形態となっています。上野止まりが少ない分、浅草口では本数が朝と全く同じだったりする(8時台と18時台)。
図6.夕ラッシュの運転本数/1H
◇下り終電(一番遅くまで運行する列車)
[各駅停車]《渋谷》0:13発→《上野》0:39着
まとめ
- 銀座線は東京を代表する地下鉄として、日中3分間隔と高密度運転を行っている!(短編成を本数で補っている)
- 今後駅のリニューアルに伴うホームドアの設置によって、所要時間はさらなる増大が見込まれている。750V昇圧時に最高速度が引き上げられるかに注目である。
本日はご覧いただきありがとうございました♪
???「じつは銀座線(の一部区間)ってうちの系列だったんだよ!」
ごあんない
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