【七色の輝き】京王井の頭線のダイヤ考察
この記事では、京王電鉄・井の頭線のダイヤ考察を行っています。〈H28.9.16改正〉
路線概要
京王井の頭線は、東京都渋谷区の《渋谷》と武蔵野市の《吉祥寺》を結ぶ、全長12.7kmの路線です。
《渋谷》から《吉祥寺》に至るには、国鉄山手線から《新宿》にて中央線を乗り継いでいくルートが有りましたが、これは若干の遠回りになっていました。そこで当時の渋谷急行電鉄がこの間の路線を計画したのが始まりです。会社の統廃合があったのち、帝都電鉄が1933年(昭和8年)に《渋谷》から《井の頭公園》が、翌年には《吉祥寺》までが開通しました。その後に小田原急行鉄道(現:小田急電鉄)に合併され同社の帝都線となりましたが、戦時戦後のいわゆる大東急への合併解体の際、経営的な判断で京王電鉄に組み込まれることになり、京王井の頭線として再スタートを切りました。
現在ではその歴史的経緯位も含めて、京王本線系統とは違った沿線風景や文化をみることができます。昨今地方私鉄でよく見られる、編成ごとにレインボーカラーで塗り分ける手法は、井の頭線でかつて走っていた京王3000系が先駆けです。
列車種別と停車駅
全線が複線で、京王線を含め他線とは線路がつながっていない、完全に独立した路線となっています。中間の《永福町》が2面4線の追い越し設備を持ちます。車両基地は《富士見ヶ丘》に隣接しています。《渋谷》は3面2線の折り返し駅ですが、朝ラッシュ時には1時間に27本もの列車を捌く、JR中央線《東京》並の芸当をみせてくれます。
種別紹介
[急行]
井の頭線唯一の優等種別です。朝ラッシュを除いた時間帯に、各停と交互に運転されます。種別カラーは緑色。停車駅は《渋谷》《下北沢》《明大前》《永福町》《久我山》《吉祥寺》です。
[各停]
線内各駅に停車します。種別カラーは黒色。
時間帯別ダイヤパターン考察
朝ラッシュ
無印:渋谷行
図1. 下北沢駅上り 平日朝ラッシュ時刻表
6時台と7時台前半にかけて[急行]が運転された後、全列車[各停]による並行ダイヤが組まれています。8時台には前述の通り1時間に27本もの列車が運転されます。車両が5両編成と短いため、本数で輸送力を稼いでいます。
デイタイム
無印:渋谷行 ▲:永福町で[急行]に接続
図2. 吉祥寺駅上り 休日デイタイム時刻表
8分間隔の中で、[急行]と[各停]が交互に運転される8分(120分)サイクルのダイヤとなっています。すべての[各停]が《永福町》であとから来る[急行]と接続します。デイタイムにおける1時間あたりの本数は、優等停車駅で15本、普通停車駅で7.5本です。
図3. デイタイム運転パターン/1H
夕ラッシュ
無印:吉祥寺行 ▲:永福町で[急行]に接続
図4. 渋谷駅下り 平日夕ラッシュ時刻表
6分間隔の中で、[急行]と[各停]が交互に運転される6分サイクルのダイヤとなっています。すべての[各停]が《永福町》であとから来る[急行]と接続します。夕ラッシュにおける1時間あたりの本数は、優等停車駅で20本、普通停車駅で10本です。
図5. 夕ラッシュ運転パターン/1H
まとめ(編集後記)
5両編成のカラフルな車両が行き交う井の頭線。首都圏で流行りの相互直通運転はおろか、そもそも他線と線路が一切つながってない珍しい路線です。渋谷駅の配置的にはちょうどよく銀座線と接続できそう……ですが、路線規格など色々と無理のある話ですね。笑
〈H28.4.13〉追記
京王電鉄の他路線のダイヤ考察記事はこちら↓
ごあんない